22番:ストレートプレイ
かぶき座の怪人
2001年2月15日 /  スペース・ゼロ / 花組芝居

■感想

宝塚の「花組」ではないですが・・ 花組芝居「かぶき座の怪人」を観てきました。
芝居フリークの方なら、このタイトルを見ただけで色々と想像をめぐらしてしまうでしょうが、 中身もナルホド、「芝居おたく」であればあるほど深ーく楽しめるお芝居でした。
私がわかっただけでも、歌舞伎はもちろんのこと、「欲望という名の電車」、そしてミュージカル 「オペラ座の怪人」と、3つのジャンルがモチーフになっています。 (それにたぶん宝塚も・・)

「芝居が好き」とかいうと、どうもサブカルチャーっぽい匂いがして、周囲にもなかなか 話題を共有できる人がいなかったりして、つい「私の趣味ってマイナーなんだ・・」と引け目を 感じたりするものですが、昨日は、そんな自分を心から「ヨカッタ」と思えた私です(^^;)。

<おはなし>
恋愛遍歴を重ねる新派の大女優、九重八重子(ここのえ やえこ)が、芸の行き詰まりに悩む 若手歌舞伎俳優、男女川恋松(みながわ こいまつ←ちょっと市川新之助風)を励ますうちに、 「本当の」恋に落ちてしまうが・・・実は2人の間には秘密があり・・恋助の芸こそ大切と 考えた八重子はある決心を・・・ (以下、もしかしてこれからご覧になるかもしれない方のために内緒)

・・とまあ、特に後半は、単純にこのお芝居のストーリーとしてもぐっと引き込まれる面白さは あります。しかしそれにしても、歌舞伎やミュージカル等、他の舞台を知ってると知らないでは 楽しみが倍くらい違うなぁというのが率直な感想です。
(昨年末に「欲望という名の電車」見ておいてよかった、と本当に思いました)

主人公の八重子が劇中劇で演じるのが「欲望電車」というお芝居なんですけど、ここでいきなり ピンクの派手派手衣装の「フラミンゴ」たちが出てきて、宝塚のレビューよろしく踊るんですよね。 (ちなみに「フラミンゴ」は、「欲望という電車」の中に出てくる連れ込み宿の名前) もう・・ここからして一人大爆笑、でも隣の人は笑ってませんでした・・。

これ以外にも随所で「踊り」の場面があるのですが、振付がいちいち宝塚っぽい・・つまり ダンスのテクニックがなくても派手でカッコよく見える振付なんですよね〜。 おそらくこの振付、演出の加納幸和さんがつけてるんだと思うのですが、加納さん、タカラヅカも めっちゃ研究してるね、絶対!!と、密かに確信してしまいました。

登場人物もいちいち、「こういう人、いるよねぇ」と笑っちゃうような人ばかり。
浮気性だけど芸にはキビシイ歌舞伎俳優、和服を着こなし夫をたてる梨園の奥様、血筋に溺れて 芸に精進しないワガママ二世・・などなど。
私は残念ながら歌舞伎の世界にはそれほど詳しいといえないのですが、もう少し詳しい人だったら 「あ、これはこの人のパロディ」と、もっともっと笑いのツボが増えるのではなかろうかと 思います。

そんな登場人物の中で一人浮いているのが、「文部省から天下ってきた」劇場支配人の早瀬。 大女優 八重子に「どうでした?今日のお芝居」と聞かれて、「はぁ、せりふもよく聞こえて 良かったです・・」なーんてズレた感想言っちゃうような人。
演劇関係者の中にも、実は意外とこういう人もいるんだろうなぁ(しかも、世間的にはエライ立場の 人の中に)と、うーんと考えさせられちゃいますね。

作者いわく、この早瀬氏こそが、自分のやりたいことをガマンしながら生きている人たち・・の 象徴だそうです。対して、舞台人は皆、自分のやりたい放題に生きている・・そんな彼・彼女らを 可愛がってやってくださいね、というのが、この芝居にこめられたメッセージでもあります。

■ぷらすあるふぁ

ま、そのうちに。


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