33番:ダンス
ジャン・コクトー 堕天使の恋
2001年7月6日 / アートスフィア / 西島千博、吉本真悟、山本隆之、金森穣ほか

■感想

「ジャン・コクトー 堕天使の恋(アートスフィア)」を観てきました。 先日、東急文化村の展覧会を観てコクトーに興味を持ったこと、それに、主演が今話題のバレエダンサー、 西島千博(かずひろ)ということもあって、観にいったのですが・・
んーーーー、ひとことでいうと、宝塚のショーの中詰め後の1場面(わりとドラマチックな場面)を 長ーく引き伸ばした感じだった。

彼のダンスの力を発揮する場面が少なすぎる。あの手の役じゃ、宝塚のトップスターには叶わない。 ていうか、そういう役を彼がわざわざやる意味を感じなかった。 彼は今、様々なバレエ以外の新しいジャンルに挑戦していることで話題だけど、やはり、そういう場合も バレエで培ったものは大事にして欲しいのだ。

それに、彼はもっと陽性のヒーローの方が似合うと思う。 西島クン、どうもキラキラした健全な光が見え隠れしてしまって、「堕天使」じゃないのだ。それでも、 ダンスの場面になると断然、表情も輝きが違うという感じがして、私はもっとこれを観たかったのに、と 残念でならなかった。

もう一つ不満だったのが、西島くんの衣装。グレーのスーツが、どうもオジサンがよく着ているねずみ色の スーツに見えてしまって・・何とかならなかったんだろうか。

あと全体の構成もあまりに単純すぎて、「桜の森・・」などを観た後の身としては、ますます物足りなさが 募った。
コクトーが、幼少時代の父との忌わしい思い出を封印するために阿片のとりこになっているのだが、そこに 救世主のように登場したのが、「恐るべき子供」天才作家ラディケ。しかし、ラディケの死により初めて コクトーは幼少時の記憶、そして阿片の誘惑に直面する勇気をもち、新たな創作活動へと向かっていく・・ というもの。
コクトーの創作活動にとって、阿片やラディケの存在って、そんな単純なものじゃないと思うし、あれじゃ まるで、ラディケの役が、白いドレスか何かで舞い踊る宝塚のトップ娘役みたいじゃん、とか思っちゃった。

そんな中で、よかったのは、ダルジュロス(阿片の化身)を演じた金森穣さん。個性的でニヒルな表情が よかったし、自分の場面の振付も自分でされているからか、表現したいモノと踊りがうまく調和していて 迫力があった。
ちなみに、他の場面の振付は、前田清美さんに上島雪夫さん。宝塚の常連の振付家だ。

すでに彼の舞台をたくさん観ている人には新鮮だったのかもしれないけれど、私はちゃんとした西島くんの ダンスを観たい・・と思う。 自分の専門分野を超えて、様々なジャンルに挑戦していくことの難しさを感じた公演だった。

■ぷらすあるふぁ

幕間に、演出の小池修一郎を囲んで、和央ようか、花總まり他、宝塚歌劇 宙組ご一行様の輪ができていた。どうりで客席に茶髪の人が多いと思ったよ。


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