52番:
現代能「安部清明」
2001年12月17日 / サントリーホール(大ホール) / 梅若六郎、梅若晋矢、梅若晋太朗ほか

■感想

少し前になりますが、今週の月曜日にサントリーホールにて上演されました、現代能「安部晴明」を 観ましたので、その感想を少々。

お能の世界のトップアーティスト(?)である梅若六郎氏の舞台生活50周年記念、しかもこの作品の 初演ということもあって、クリスマス前、ただでさえ華やかなサントリーホールのロビーは、ゴージャスな 着物を着た奥様方でますます華やかに彩られておりました。
実は私も着物を着ていったのですが、案の定あちこちで「お直し攻撃」に合ってしまい・・(^^;)。 かなり恥ずかしかったけど、勉強にもなりました。何事も経験、こういう場の独特な緊張感に耐えうる 着こなしができるようになりたいもんだと気持ちを新たにしたのでした。 (あくまで目標は高く持つのだよ)

とはいえ、上演された作品は、今最もタイムリーな「安部晴明」、しかも舞台空間演出をMr.マリック氏が 担当しており、「お能の世界でも、こういう斬新な試みがあるのか」と意外に思ったのですが、実際、 火矢や人魂(?)がヒューンと飛んでいくように見える仕掛けや、悪の化身が投げる蜘蛛の糸など、 お能初心者の私なども眠ってしまわずに楽しめる仕掛けが満載。 せっかく、こんな作品をやるのなら、「能って一度見てみたいけど、敷居が高くてチョット・・」と 思ってる人たちにもアピールしていけば良いのになと少し思ったりもしました。

(ちなみに、この「蜘蛛の糸」は今、歌舞伎座で上演中の西遊記でも使われています。こちらはあくまで 「見せる」意図で役者をうまく避けて投げられていたのに比べて、こないだの舞台では、安部晴明に向けて直接 ガンガン投げつけられていたので、晴明さんは蜘蛛の糸まみれで刀を振り回し戦わねばならず、マジで大変そうでした。 思わず「がんばれ、晴明!」と心の中で叫んでしまったよ・・・)

実は今回は、観客ではなくロビーの受付のお手伝いをさせていただいたのですが(その合間に舞台も 見せていただきました。なんておトクなお手伝い!)、この経験がまたまた面白かったのです。

私ただのバイトだというのに、お客様からはその世界の人と思われるのでしょう、なにしろ色んな 質問を受けること受けること。
「トイレはどこ」「梅若先生の奥様にお会いしたい」といった初歩的なものに 始まり、「この作品の謡本(→脚本みたいなもの)は出ないのか」「ビデオは発売されないんですか」 さらには「能はどのあたりの席で観るのがいちばんいいのか」といったものまで。
それから、何も買わずに「今日の舞台は面白かったネ、こういうのもいいね」と感想だけ述べていくオジサン。
そうそう、海外のお客さんもたくさんいらしていて、たどたどしい英語で受け答えしなきゃならない一幕も ありました。

でも、宝塚やミュージカルの世界に置き換えて考えてみれば「なるほど確かにそういう質問をしたくなるだろうな〜」 などと納得できたりして。 プログラムやビデオをお渡しするときに垣間見られるお客様の笑顔は「私、能が好きなんですっ」という 気持ちがアリアリとうかがえました。どこの世界もおんなじなんですネ。

このほかにも舞台裏でのお手伝いは、プログラムの挟み込みやらお弁当の手配、終演後には差し入れられたすごい量の お花を分けたり(このときは一瞬、今後は二度とお花を入れるのはやめようと思った・・)、後片付けなどなど、 夜遅くまで大忙しでした。
結局、帰宅したのは11時過ぎていて、慣れない着物だったせいもあり、もうグッタリ。 おそらく関係者の方の慌しさと緊張感はこの比ではなかったのだと思います。
やはり舞台というのは、こういった 目に見えない数多くの人に支えられてできる、かけがえのないものなのだということを改めて感じたのでした。

■ぷらすあるふぁ

とくになし


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